父から 今は亡き息子へのラブ・レター
2016.03.03父から 今は亡き息子へのラブ・レター
2016年2月19日 国際本部から
父親に、息子への特別なラブ・レターを書く気にさせたのは、ホテルに備え付けられた1冊のギデオン聖書でした。見た目は、ギデオンによってホテルに備え付けられた沢山の聖書と全く同じようです。しかし、ラドニー・ジョーンズ兄(ナッシュビル/ギデオン)がその聖書を開くと、神様のみ言葉である聖書の中に、ラドニーや多くの人々の心を揺さぶる手紙が書き加えられていることに気付きました。
それは、土曜日の夜のことでした。ジョーンズ兄はテネシー州・ガトリンバーグのホテルの客室にいました。そこで翌朝礼拝でゲストスピーカーとして語るメッセージの準備をしていたのです。彼は、聖書が必要になり、ホテルに備え付けられたギデオン聖書を探して、ナイトテーブルの引き出しを開けました。聖書を開いた時、誰かがその聖書の裏表紙の内側に何かを書き残しているのを見つけました。
1992年4月20日、地上での生涯を終え天国へと旅立った4歳の私の大切な息子、クリストファーに捧げる。
クリストファーへ、おまえが亡くなって早や7年も経ったなんてとても信じられない。まるで時間が止まってしまったように思われるんだ。私は、今でもお前がいなくなってとても寂しい。この寂しさは生涯変わることはないだろう。
お前が一緒だったらどんなに楽しかっただろう。たとえお前の甥のキャメロンがいくらこの寂しさを埋め合わせてくれたとしても。お前はキャメロンが好きだったね。あの子は素晴らしい、そして、お前の姉妹キムとケビンを自慢していたね。あの子たちはよくかくれんぼするけれど、お前はどこにいたのかすべてを知っているんだろうね、でもお前はもうここにはいないんだ。
いつの日か、再びお前に会えるだろう、そしてその時にはきっと、またいっしょに遊べるね。
私は、いまでも心からお前を愛しているよ。お前を絶対忘れないよ。
父より 1999年4月10日
ジョーンズはその手紙を読み、涙がとまりませんでした。彼はその聖書を手もとに保管するとすぐに替わりの聖書を部屋に備えるように手配をしました。
彼はその聖書をギデオンの報告と証をする教会へ持って行くようになりました。ギデオンによって備え付けられた聖書によって人生が変えられた人々の証を会衆に伝え、その中でこの聖書が息子を失った父親へどんなに深い慰めと平安を与えたかを語りました。
ある日、彼は、報告と証の為に教会で牧師と打合せをしていました。そして彼はこのホテル用聖書の話をしました。彼がお父さんによって書かれた手紙を読むと、牧師は大変驚きました。「私は誰がそれを書いたのか、知っています。」と牧師は言いました。「彼とその奥様はこの教会に出席していますよ。」
日曜日、ジョーンズは教会の前に立ちました。手紙を書いたあのお父さんが会衆席に座っているのです。ジョーンズが証をし、お父さんの手紙を読むに従って、会衆の多くの人々がその話に出てくる人物の名前や出来事をよく知っている様子であることが分かりました。その後、牧師は、この手紙が、実際、会衆の中にいるお父さんによって書かれていることを発表しました。そしてほとんどの会衆は泣いていました。
礼拝の後で、そのお父さんと奥様は、ジョーンズと彼が語った証について話をし、彼にその物語を語ってくれたことのお礼を言いました。そして、他の人々が同じように慰めを見出すことを願って、ジョーンズがこの物語を語り続けることを励ましたのです。