証 A HEALED HEART 癒やされた心臓
2017.12.28ロン・ウォルドビリグは、複数の博士号を持つ教養のある医療従事者で、評判の良い教職者でした。教授としての任務を担うに当たり、やがて次世代の医者となる医学生を教えました。彼の心は物質的なものに支配されており、霊的な事柄には一切無関心でした。妻は熱心なクリスチャンでしたが、ロンは違いました。「教会は彼女の趣味でしかないと思っていました。」とロンは振り返ります。彼にとって、あるのは肉体だけで、魂は存在しなかったのです。
53歳の時、ロンは自らの肉体の試練を経験しました。病院の白い廊下をカートに乗せられて移動したこと、看護師たちのせきたてられた声、医者だった自分がにわかに絶望的な患者の身になってしまった時の感情をはっきりと覚えています。自分自身の死に直面して、彼は人生で初めて神の助けを求めました。心臓が深刻な状態にあり、テキサス州ヒューストンの病院で臥(ふ)せっていました。医師たちの処置の手順と、周りにある医療器具を見て取った ロンは、自分がいかに危険な状態にあるかが分かりました。実際のところ、一本の糸にぶら下がっているかのようでした。その時点で、彼は、向かうべきところはただ一つだということを知ったのです。
「絶望的な状況の中、真夜中に、心臓専用ICU(集中治療室)で、私はまだ知らなかった神を呼び求めました。」とロンは語ります。
ロンは、自分に付き添ってくれる看護師が何 か普通の人と違うことに気づきました。彼の妻と同じように、その物腰が、彼の心を安らがせてくれたのです。彼女の信仰について知りたくなったので尋ねると、彼女はキリストの真理を分かち合ってくれました。
ロンは彼女の言葉を喜んで聞き、夜中の2時、病室でキリストを個人的な救い主として受け入れました。「私 は言い表せない喜びで満たされました。」
それからとっさに聖書を求めると、その看護師はベッドのそばにあったギデオンの新約聖書を手渡してくれました。彼はそれまで神のみ言葉を一度も読んだことがなかったのですが、「使徒の働き」を無性に読んでみたくなりました。ダマスコへの途上でのサウロの回心―ロン自身と同じ回心体験について読みました。
翌朝、妻に自分の回心のことを伝えると、彼女は感謝しましたが、ショックは受けませんでした。「彼女は私の救いのために35年という長い孤独な年月を祈り続けていました。」とロン。「この神の真実さは驚くに当たらなかったのです。」
自分の心臓の状態について、ロンは、その癒やしは神からのものと信じています。「私の心臓は医療的に治ったのではありません。イエス・キリストが私を癒やしてくれたのです。」ロンは病気のため入院していた時、看護師と彼の保険業者との会話をふと耳にしました。保険会社は、ロンのひどい状態は投資に見合っていないと判断し、推奨された手順で治療代を支給することを頭から拒んでいました。彼は、神様が自分の状況を違った目で見てくださったことを感謝しています―“救うに値する心臓だ”と。それからの年月、医学的な問題のために彼が神に仕えることができなくなるということはありませんでした。
ロンは1999年にギデオンの会員になりました。彼の奉仕活動への関わりは熱烈で、まるで過去の失われた時間を取り戻しているかのようでした。与えられた国際ギデオン協会の働きという神からの使命を果たすに当たり、彼は数え切れないほどの新約聖書を贈呈し、自分の証しを何度も分かち合いました。ロンは刑務所伝道にも情熱的で、彼の在監者に対する忍耐とあわれみを通して、殺人者を含むあらゆる犯罪者がキリストに立ち返りました。彼の証しから、祈りには力があることと、主を呼び求める全ての人が神のみ言葉に触れられるようにすることとの重要性が分かります。
byアンディー・ムーア
2017年11月28日